2017年5月29日月曜日

お別れのときが、くる


けさは、レッスンで、大学生の生徒さんが、
お花と、菓子折りをもってきてくださりました。

早めにバカンスに発つから、
きょうが、最後のレッスンだというのです。
前から、来年は、ピアノは続けられない、とは聞いていましたが、
夏まで、まだあと一ヶ月、レッスンはあるのです。
ええっと、おどろきました。

それに、
お花と包みを差し出す、その顔が、
ニコニコしてるわりには、
悲しみがしんしんと、伝わってくる感じです。

あらまぁ、そうなんですかぁ。
はぁ〜。
感慨深いねぇ。

10年来の、生徒さんが。
きょうで、お別れ。

私はあたふたとして、
とっさに、何といっていいかわからなかったです。
ふーん、そうなの、へぇ〜え、
など、言葉にならない言葉ばっかり。

「あ、ちょっと待って。
とりあえず、花びんに水いれてくるから」
と、
ひとまず逃げて(?)、息をととのえました。


べつに、あまり器用ではないし、
じょうずに弾ける曲も、少ししかない彼女です。
でも、やっぱり、ちょっとは弾けるし、
楽しもうと思えば、楽しめるようになったのではないかしら。

とっても、はにかみ屋さんで、
あまり、おしゃべりをしません。
いったい何を考えてるのかな、と、
たまに思うこともありました。
でも、専門の、政治の話になったりすると、
いろいろ、意見を言ったりします。

この先、また、どんなふうに、花開いていくのかしら。
どんなふうに、ピアノを楽しんでいくのかしら。
いろいろ、想像してしまいます。


こんなふうに、
私の仕事は、ともすると、
10年ちかく、若い方たちとご一緒できるのです。
小学校から、大学まで。
小さな子どもが、どんどん大きくなっていくのを、
ちょっとそばで、見せてもらえる。
これは、ふつうの仕事では、めったにおこらない
ステキな、特典だと思っています。


毎年、そんなふうに、
なごりを惜しむ、生徒さんたちが、あります。
卒業式の気分と同じでしょうか。
泣き出す人も、あります。

今年も、あと数人、かどで(門出)が予想されます。

その人たち、
ピアノレッスンのない人生なんて、
考えられない、という気持ちがして、
来年は、どうなるなのだろう、と不安でいっぱいだと、
言います。

「大丈夫だってば、
私は、ずっと、ここにいるんだから。
いつでも、会いに来ていいから」
と、
毎回、私は同じことを言います。



ですが、
おもしろいのは、
あれほど、おなごり惜しい、とか、
不安、と言っているわりには、
みなさん、あとから会いに来るわけでもないです。

なんの便りもないのを見はからって、
私は、
あぁ、無事、飛び立っていったな、と
思います。


きょうは、
突然、お別れのときがやってきて、
ちょっぴり、びっくり、しんみりした話でした。

読んでくださって、どうもありがとうございました。

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