2017年8月28日月曜日

パリは、変わったかもしれない


パリの街を、歩きました。
観光の人をつれて、です。

8月のパリは、
パリジャンが、あまりいません。
すいていますし、
人々も、なんとなく、
のんびりしていて、静かです。

8月といえば、
36年前、初めてフランスに来たときが、8月でしたので、
そのことを、思い出します。

あれから、
ずいぶん変わったと、思います。
スマートフォンを見て歩く人の、多いこと。
私のように、地図を見て歩く人は、あまりいません。
それに、ツーリストの、多いこと。
おしゃれな、アラブ人。
ロシア人。
日本人は、少ないです。

でも、
変わらない部分も、かなり、あります。
メトロの、線路の金属の、におい。
車両の、ドアのあく音。

マロニエの木。
夏の終わりに、おちる、枯れ葉。
カフェの、香り。



街の、壁に描かれた、絵。
私は、感心して、見ています。
これは、36年前には、なかったと思います。



そして、
雨があがったので、
静かな、サンジェルマン デ プレ付近を歩きました。
ドラクロワというが、アトリエにしていた家を、見ました。
今は、美術館になっています。

静かです。
中庭は、ここが、パリ?と思えるほど、こじんまり、
アットホームな、ふんいきでした。
バラの香りが、とってもステキでした。



そして、
また電車にのって、ロワール地方の、わが家にもどりました。
これまた、
静かなこと。

あと、数日で、新学期がはじまります。
すると、また、
わさわさ、あたふた、と、みなさん、
動きはじめるはずです。
なんだか、これも、楽しみです。



きょうも、読んでくださって、どうもありがとうございました。


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2017年8月24日木曜日

しがらみから、自由になっているか



ロワール地方は、天気がよくなりました。
まさに、夏、という感じです。

今、
日本から、親せきの人たちが来ています。
ですので、
なるべく、おいしいものを作ったり、
お菓子を、ふんだんに買ったり、
街を一緒に歩いたり、と、
私は、がんばっています。

なるべく、たくさんのことを、経験してもらおうと、
がんばっているのです。

一緒にいられて、
楽しいといえば、楽しいですが、
ひとつ、めんどうなことが、あります。

通訳です。


日本語を、フランス語に通訳するのは、
それなりに、むずかしいです。
けれども、それだけでは、すみません。

たとえば、
夫は、一日中仕事で、家にいないのに、
一日のおわりに、夫が、
「きょうは、いろいろありがとう」と、言われると、
「え、何が?」となります。
夫は、何に対して感謝されてるのかな?と、
ふしぎに思います。

それは、
夫が、家の主だから、
親せきの人たちは、そう言うのです。
(だろうと、思います)
これは、古いのかもしれません。

まぁ、なんでもいいですが、
それを通訳するとき、いちいち、解説をつけるとすると、
私にとっては、たいへんな仕事になってきます。

言葉をえらぶ。
カルチャーのちがいを、思い出す。
過去にのデータにさかのぼって、確認する。
そして、慣れない日本語に訳す。
フランス語に訳す。
2つの言葉のあいだを、いったりきたり。
これは、りっぱな職業なはずなんですが、
私は、しろうとです。
その私が、ながいこと、たてつづけに同時通訳しています。

だんだん、
脳みそが、ヒートしてきます。

でも、
まったく感謝されませんし、
それどころか、
私の心のすみでは、
まぁ、私の勝手で、フランスに家族をつくってしまったわけだから、
言葉が通じないのも、私のせい、と、思っています。
ごめん〜なんて、思っています。

なので、
なさん、
言葉が通じなくて、こまっているんだから、
私がなんとかしなくちゃ、なんて、思ってしまいます。



さて、
そんなふうに通訳をしていると、
めんどくさい、という気持ちもありますが、
いいこともあります。

それは、私は、ここフランスで、
そういう、日本の「しきたり」を、
ムシして生活してる、ということを、思い出すことです。

いいこと、
わるいこと、
正しいこと、
など。

フランスにも、そういうのはあるはずです。
でも、
もし、違反しても、
「日本人だから」と、大目にみてもらっているはずです。

ということは、私は、
かなり、自由勝手に、やっているのかもしれません。。
「しきたり」を、こえて、
自分なりに、やっているのかもしれません。

そんなことを思って、
ふむふむ、と
ひとり、感心したりしました。

しがらみから、自由になってるのかな。
自由はいいけれど、
なんだか、頼りないな、
ちょっと、不安だな、
自分だけが頼りだな、と、思ったりもしました。

まぁ、それでいいか、と、思いました。



きょうも、読んでくださって、どうもありがとうございました。


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2017年8月15日火曜日

ボグダンと見た、月(貨物船の旅)



貨物船の旅で、船乗りさんとふれあうのは、
とても楽しいひとときです。

私たち乗客を、歓迎して、
書類、案内などのめんどうを、見てくださったのは、
ボグダンという、第3士官の方でした。

まだ、学校に行っている、23才くらいの、
ていねいで、優しい人でした。

ある日、
「今晩は、ぼくが、8時からウォッチだから、
ブリッジまでいらっしゃい。
もし、天気がよければ、星が見られますよ』と、

誘ってくれました。
ウォッチというのは、
建物の最上階にある、操舵室(ブリッジという)で、
見張りをすることです。

私たちは、
喜んで行きました。
一日中、海の風と、強い太陽にあたっていると、
夜は、早めに、眠くなります。
でも、その眠い目をがんばってあけて、
ブリッジに登りました。
天気は良し!
星がざくざく、見られるはずです。

ブリッジは、まず、
カーテンでしきった、地図室だけが、
最小限のランプで、地図をてらしています。
カーテンをちょっとよけてみると、
向こうは、まっ暗。

部屋を暗くして、目を闇に慣らさないと、
なかなか、夜の海は、見えないのです。
そんな闇の中、おじゃまじゃないか、と、
ちょっととまどいながら、
来ました、と、告げます。

学生士官の方は、船長さんがいらしたせいか、
まじめそうにしてますが、
クルーの、フィリッピンの見張りの方は、
ものすごく、気さくに、
「やぁ〜いらっしゃい!」なんて言って、おしゃべりしてくれます。

しばらくして、船長さんが、下に降りますと。

私たちを誘ってくれた下士官の方が、
さぁ、お見せしましょう、と、
お相手をしてくれました。

双眼鏡を貸してくれて、
「月をみてごらんなさい。
きれいだから!」と
ニコニコしています。
実は、目には良くないと言われているんですが、
私も、自分の小さなオペラグラスで、
月は、時々、ちょっとだけ、ながめています。

それを、
船乗りさんの、あの、強力な双眼鏡で、見たら、
目がつぶれるのではないか!と、
ちょっと心配でした。
でも、ボグダンは、ニコニコしているので、
のぞかせてもらいました。

ほほう!
これは、きれい。
双眼鏡で見る三日月は、
つるっとした形など、していません。
がさがさの、表面のせいで、
先っぽは、とんがっていません。

これは、
まさに、花王石けんのマークです!
三日月を、人の顔にたとえて描いた人は、
目が良かったのでしょうか。
たとえでも、想像でもなく、
三日月は、ほんとうに、そういう形をしていました。
びっくりしました。
月が、すぐそこに見えていました。


(こんな感じ)

さて、ボグダンは、
星が大好きだそうです。
「おおぐま座、こぐま座、見えたでしょう?!」と
目をキラキラさせています。

星が好きなんですねぇ、
私もなんですよ。

と、言いますと、

もっと若かったころ、
8月になると、
原っぱに、コートをしいて、そこにねころがって、
いつまでも、いつまでも星を見ていたんだ。
だって、ロマンチックなんだもん。

と、言っては、
また、仕事で、海を見ています。

彼、いい仕事を選んだなぁと、私は思いました。

たまに、フィリッピンの見張りの方の、

「あそこに、何か見えますけど、
あれは、月の光のせいでしょうかねぇ、
双眼鏡で、確認してみます」

なんていう声が、きこえます。
ハタから見てると、夜の海を見張る、という仕事は、
ロマンチックな作業に、見えます。
なるほど、
黒い水面は、一部分、月に照らされています。

夜空は、三日月のせいで、真っ黒ではなかったです。
真っ黒だったら、もっと星が、ざくざく見えるはずでした。
三日月は、もうじき沈むから、
もうちょっと待てばよかったのですが、
もう、眠くてしかたない夫につきあって、
おいとましました。

ほんとうは、
もうちょっと、そこにいたかったのです。
ボグダンのウォッチが終わる、12時まで、
ただ、そこに、いたかったなぁ、と思いました。
夫と、別行動にすればよかった、と、
ちょっぴり、後悔しています。



双眼鏡で見張って、もし、
レーダーにひっかからない漁師の船があり、あぶなければ、
コンテナ船は、ボゥーっと、霧笛をならしたりします。
車のクラクソンと同じです。

ある晩、
何度も鳴る、ボゥーっという音で目がさめました。
なにごとだろうと、
いそいで窓の外を見れば、
あたりは、夜の霧で、なにも見えませんでした。
なにも見えない中を、進んでいるのです。
自分の船のあかりが、ちょっぴり見えるだけです。
なんとも、不安な感じがします。

でも、
あぁ、ウォッチの方が、霧笛をならしている。
おかげで、私は安心して眠っていられるなぁと、
ベッドにもどりました。
なんだか、むしょうにやるせない、悲しげな霧笛のひびきでした。
そして、また、眠りにつきました。


きょうも、読んでくださって、どうもありがとうございました。

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2017年8月13日日曜日

ここには、ママもパパもいない(貨物船の旅)


ここは、
船の首(?)
先頭の部分です。
舵取りデッキとは、ちょっとちがう雰囲気です。
風の強くない場所もあります。
だれもいません。

でも、
去年は、船首まで、行きませんでした。
こわくて、行けなかったのです。
行くまでの道のりが、こわくて。

まず、去年の船は、
長さが400メートルでしたから、
もし、船のまわりをぐるっと歩いたら、
1kmくらい。15分はかかります。

それに、
まわりを歩くと、さくの向こうは、
すごい波の海。
さく、といったって、ただの、2、3本の細い棒。
すぐそこは、海。


波の音がすごければ、
風もふいていたり、
船は、ゆれる、
ちょっとまちがえれば、おだぶつ、と思ってしまいます。

今年は、
夫が、連れて行ってくれました。
今年の船は、長さ200メートル。
船首までいくのに、3分ほど?
いずれにしても、行く前には、
オフィサーに、「行ってもいいですか」と、きかねばなりません。

風が強すぎる、とか
波が高い、とか
今、工事中、とか、
いろいろ、あぶない日も、あるようです。


飲み水、カメラ、おやつを持って、
船長さんのところへ、ききにいきます。
すると、
たいてい、「はい、いいよ」と言いながら、
ヘルメットをかぶる動作を、します。

ヘルメットをかぶれ、ということです。
白くて、新品のヘルメットです。



どんな人も、船のまわりのデッキ(メインデッキ)に出るときは、
ヘルメットをかぶることになっています。
もしコンテナや、部品が落ちて来たら、
という時のためなのでしょうか。

それと、
「メインデッキに行ってきます」とオフィサーに告げても、
だからといって、
もし、デッキから海におっこちても、
だれも、気づかないと、だれかが言っていました。

たしかに、そうです。
つまり、
自分の責任で、ひとりで、
自然の中で、歩いています。

顔にあたる、強い風。
波の音。
エンジンの音。
冷蔵コンテナのモーター音。
冷蔵コンテナの、なんとなく、アジア食品っぽいにおい。
ときたま、船のゆれ。

なるべく、さくからはなれて、波を見ないように、歩く。



そして、やっと、船首につくと、
静かで、ポカポカしています。
そんなところで、
あの、イルカを見たりしました。



トビウオも、見ました。
船は大きいですから、水面は、はるか下です。
それでも、
かなり大きく、見えたです。
上から見たトビウオは、
こうもり傘のように、大きくはねを広げて飛んでいました。

鳥なのか、
魚ななのか。
でも、水に戻って行ったところを見ると、
魚のようです。

小さい頃、トビウオが、
夕食に出てきたことがあるような気がします。
あれだったのでしょうか?



ところで、
例の船長さんのことです。

船の上では、各自が洗濯をすることになっていますが、
船長さんとか、機関長など、
上士官の人たちだけは、
スチュワードにやってもらう、というのが、
去年の船で見たことでした。

ところが、
今回は、
私たちが、洗濯室で、あたふたと
ほしあがったものを、出そうとしていると、
船長さんが、洗濯ものを、大きな手で、丸めて、
降りてらっしゃいました。

「あ、今、使用中なら、別に、いいですよ。
かまわないってば、あとでやるから!」と、
行っちゃいそうになる船長さん。

「いえいえ、もう、終わったので、どうぞ。
だけど、
船長さんは、洗濯もしなくちゃならないんですかぁ?
まぁ!」

私は思わず、つぶやいてしまいました。

自分は、
洗濯はいつも、自分でするようにしている、
ということでした。




ところで、洗濯乾燥機に、
はり紙がしてありました。

「みなさん。
船の上には、ママも、パパもいません。
彼らは、お家にいるんです。
(パパ、ママがやってくれると思わず)
どうぞ、毎回、フィルターを洗ってくださいね。
サンキュー!!!」

と、書いてあります。
くりかえ、しくりかえし「!」があって、
「これを読んで、この通りにして!」と書いてあるところを見ると、
もう、懇願というレベルです。

フィルターを洗わない人がいる。
それに困った方が、知恵をだして、
これなら、船乗りの琴線にふれるだろうと、
この、フレーズを、生み出したのではないかと思ってしまいました。
「ママも、パパも、いないんです」
というところです。

船乗りの方々、
3ヶ月、6ヶ月か、もしくは、
9ヶ月も、家族とはなれての、
お仕事です。

この、はり紙。
なんだか、
しんみり、くるような気がしました。

きょうも、読んでくださって、ありがとうございました。


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2017年8月12日土曜日

ちょっぴり、気まずい(貨物船の旅)



一週間の、貨物船の旅。

3度の食事は、士官(オフィサー)の方々と一緒でした。

今回は、ウクライナのオフィサー10人と、
下働きのクルーが、フィリッピン人13人。

大きな船に、23人の船乗りと、私たち乗客2人だけ!




↑ 食事は、士官の食堂でいただきます。

船の上では、いつ何かおこるかわかりませんから、
だらだらと、話すヒマがありません。
みなさん、わりあい簡潔に、早口で、話されます。
(と、きいたことがあります)

そうですねぇ、
ええと、
たとえば。

なんていう話し方は、あまりないです。

たたた、っと、
用件が、とんでくるような、話し方です。
聞かれたり、
答えが出たり。

何か、お願いすれば、
2分後くらいには、結着しています。

と、
そういう早口ですから、
それも、ウクライナなまりのある、英語ですので、
ちょっと、わかりにくかったです。
私の英語能力は、かなり、おぼつかないのです。

もうちょっと、気軽に、おしゃべりしたかったのに、
と、
私の英語レベルが、うらめしかったです。


↑ 前菜や、スープ

食事は、メスルームとよばれる、こじんまりとした食堂で、
士官の方々と、ご一緒しました。
私たち乗客2人は、
丸いテーブルが、わきにあって、そこで。

すると、
士官の方々と、一緒にいるようで、
一緒にいない、という感じになります。
お仕事中の、みなさん、食事中は、休憩時間です。
母国語の、ウクライナ語で、お話しています。

私は、夫と、フランス語で、話します。

すると、
会話が、別々になります。
それも、いいですが、
でも、やっぱり、おしゃべりしたいですし、
でも、じゃましたくないですし、

でも、なんとなく、
注目の的になっているようで、
なっていないようです。
目を合わせていなくても、なんとなく、
お互い、見ています。

だいたい、乗客なんていうのは、めずらしいはずなのです。
もしかすると、
「いったい、どんな変わり者なんだろう」と、
質問してみたくなっているかもしれませんし、

退屈しのぎに、なにか、しゃべったりしたい、とも
思っているかもしれません。
その逆かもしれません。

それが、よくわかりません。
いつも、だから、緊張してしまいます。
それに、テーブルがはなれていては、
大声をださなくては、話ができない。


プラス、英語のききとりができない、という
私の壁(?)も加わって、
私は、食事中は、ちょっぴり、気まずかったです。


ですので、
船長さん、
ワインは飲むか、と聞いてくださったり、
サバをたくさん釣ったから、と自慢げに話してくれて、
それが、お料理に出たときは(上の写真)、
うれしかったです!

ワインは、今、港にいるうちは、
検査があるかもしれないから、ダメだけど、
出航したら、出せますよ、と言ってくれたり。

私は、気まずくて、緊張しているせいか、
なんだか、ピントのずれたことを、
ダラダラとしゃべってしまって、
あとで、恥ずかしく思ったりしました。

ほんとに、「気まずい」のは、苦手です。



船長さんは、そのあと、一週間もたってからですが、
ジブラルタル海峡で、
一晩、停泊できる、とわかったとき、
一緒に釣りをしましょう、と誘ってくれたのです。
まぁ、楽しそう!

楽しみにしていたのですが、
結局、残念なことに、
停泊中、アンカーリングができなくて(という、技術的な理由で)
釣りはできませんでした。

ですが、
なんだか、
私たちを楽しませようと、
一生懸命にやってくださったような気がします。

なぜ、そう思ったかと言いますと、
その前にも、
避難訓練というのがあったからです。
下士官の方に言わせると、そんなのは、
なかなか、やらない、ということだったのですが。

そして、
そのとき、
私たちに、
「みんなは、船中を駆け回っていますが、
あなたたちは、ここにいて、見てなさい」と。

何かと思って、最上階のデッキで待っていると、
しばらくして、

「ほら、みててごらんなさい。
これから、船のまわりに、虹が見えますよ。
上にかかる虹じゃなくて、船のうしろに」と。



たしかに、虹が見えます。
わきの方で、だれかが、消火の訓練をしているのです。

それを、上で見てなさい、と
船長さんが、私たちに言ってくださったのは、
やっぱり、きれいなものを、見せてあげよう、と
プレゼントしてくれたんじゃないかと、
私は、思ってしまいました。



書き出すと、
士官や、クルーのメンバーとの、
短い、密度の濃い、いろいろなやりとりは、
たくさん、あります。

食事だけは、気まずいですが、
階段で、出会ったり、
ジムで、出会ったり、
操舵室においで、と言ってくださったり。

また、書きたいと思います。



これが、その、船長さんです。
ふだんは、Tシャツに、バミューダです。

ですが、
入港、出港のときは、
アイロンの、ばっしりときいた、シャツに、
黒いステキな、くつの姿で、とてもカッコいいです。

たまに、
下士官が、へまをしたのか、よくわかりませんが、
そういうときは、
ものすごく大きな手ぶりで、
大きなジェスチャーをして、
文句を言います。
それが、大きく、低い声なので、迫力あります。

でも、すぐに、ふつうのきげんにもどって、
フォッフォッフォ、と笑ったりします。
絵に描いたような、ひげの船長さんです。

また、
書きたいと思います。

きょうも、読んでくださって、どうもありがとうございました。


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2017年8月11日金曜日

けなげな、タグボート(貨物船の旅より)

タグボートが、お仕事にでる

コンテナ船の旅からもどって、日がたちました。

去年は、初めて貨物船に乗って、
とても印象が強かったです。
今年は、
2度目だということと、
夫と一緒に、というところが、大きな差でした。

私は、一人旅が好きです。
一人だと、緊張はしますが、
自分のアンテナを頼りに、行動できます。
夫とは、気が知れているから、
一緒にいて、
別に、遠慮もなにも、していないように思いますが、
やはり、自分は、マイペースで、やっていないのかもしれません。

旅は、一人旅の方が、強く味わえる、
というのが、今回の、感想です。
(夫よ、ゴメン)


とはいうものの、
海と船の印象は、かなり強いです。

空、
海、
船、の美しさと言ったら!

一日中、ながめていても、あきません。
今回、
フランスの港で乗り込んできた、
パイロット(水先人)の方と、お話しすることがありました。
元、船長をなさっていたそうです。

すると、
やはり、私と同じように、
海と船が好きでたまらない、という
感じでした。
どういう理由かは知りませんが、
遠乗りの、航海をやめて、
港の水先人になった、50才くらいの方です。

海の楽しさ。
航海のつらさがあっても、
まだ、船乗り業が、好きでたまらない、という感じです。
で、私は、ききたくなってしまいました。

「私は、海や空をながめているのが好きなんですが、
お仕事をなさっている、プロの方は、どうなんでしょう?
毎日、水平線ばかり見ていて、
飽きちゃったり、するんですか」


すると、答えは。

「とんでもない!
だって、毎回、同じ、ということはありえないです。
海は、いつ見ても、毎回、ちがうんですよ」

まぁ、うれしい答え!

私は、そう思ってますが、
こんなに経験の長いプロの方でも、そうなんですね。
やっぱり、来世は、船乗りに、なりたいです、

と、お答えしたら、

「そんな。
もったいない。
ぜひ、今世で、めざしてください」

と言ってくださいました。
でも、
まさか。この年で。



ところで、私は、タグボートを見るのが好きです。

タグボートというのは、
ご存知の方も多いと思いますが、
港で、大きな船が、パーク(?)したり、
出航したりするのを、
お手伝いする船です。
小粒なのに、ものすごく、馬力があります。

大きな船をひっぱったり、
岸にぶつからないように、
わきから、ちょんちょん、と押したり、
強い海流がきて、変な角度にならないようにと、
見守っていて、
いざという時に、フォローしてくれたりします。

見ているだけで、感動してしまいます。
肝っ玉母さんが、
「いってらっしゃい〜」と
玄関まで、送ってくれるような、感じです。

相手の船に、傷がつかないように、と、
まわりは、ゴムでできているように見えます。
そして、
ゴム靴のような、かっこうをしているのです。
その、小さなからだで、
けんめいに、大きなコンテナ船をぐいぐい押している、
その姿は、すごく、けなげです。

海の水は、
馬力を出している、そのがんばりのせいで、
ゴウゴウとかきまぜられて、
泥水が見えたりもします。



前、うしろ、と
たいてい、2そうの、タグボートに助けられて、
私たちの乗る、コンテナ船は、無事、
港に、着いたり、発ったりしました。

上の写真は、
お役目をおえて、帰って行く、タグボートです。

ありがとよ〜。
おたっしゃで〜。

と、手をふりたくなります。



実は、
私の部屋には、
雑誌の切り抜きの、
100年以上も前の、タグボートの油絵が、
はってあります。

やはり、
その馬力に感心した、絵描きの方が、
描いたのではないか、と
親しみを持ってしまいます。



こんな、感じです。

きょうは、タグボートの話でした。
きょうも、読んでくださって、ありがとうございました。

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2017年8月8日火曜日

暑中お見舞い (タリファ海岸)


貨物船の旅を終えて、
フランスのわが家にもどったのは、いいものの。
旅の印象が、まざって、
いったい、どこから書いていいのやら。

貨物船をおりて、港のすぐそばの、南スペインの海水浴場で、
いく日か、すごしました。
その印象も、強かったです。

タリファという、
とても、暑い海水浴場でした。
よく、わけもわからずにとったお宿は、
大西洋と、地中海の、
さかい目にある海辺でした。
風が強く、波がきれいで、
サーファーが、たくさんいるところでした。
海は深いそうで、ダイバーも、たくさんいました。











すぐむかいは、モロッコです。
ボートに乗って、
くじらやイルカを見ようとした時。
モロッコの漁師に、出会いました。
マグロを捕る、漁師さんたちです。

すでに一匹、大きなマグロが、船の中に見えます。
そのせいなのか、
みなさん、たいそう、ごきげんで、
こちらに向かって、手をふってくれました。

朝のお日さまが、白っぽくかすんで、
なんだか、とても風流に見えました。

このあたりは、マグロがたくさんとれるのです。
マグロといえば、私も知っていますよ、と
親しみがわきます。

日本人の私は、
ぜひ、おさしみにして食べたく思います。
でも、スペインの料理のし方では、
みなさん、すぐ、火をとおしてしまいます。

ですが、
何度か、「たたき」やマリネも、いただきました。
おしょうゆ味がしていました。









地図で見ると、
上が、ヨーロッパ、
下が、アフリカ、
左は、大西洋、
右が、地中海、ということがわかります。

アラブとヨーロッパがまざったような、南スペインにいて、
マグロのたたきを、味わう。



なんだか、自分がどこにいるのか、よくわからなくなります。
そして、
わが家に帰る、という気持ちは、
東京に帰るのが本当、なはずなのですが、
スペインを発って、
フランスに帰る。
ちょっと、しっくりいかない、と思いながら帰ります。

けれど、
いざ、フランスのわが家に、帰ってみると、
水道水は、肌によく合うので、ほっとします。
いつものパン、お茶をいただくと、
やはりこれまた、ほっとします。

本当は、きょうは、
貨物船の旅のつづきをアップするつもりでしたが、
ちょっと、頭の中が、ごちゃごちゃになりました。
それは、
また、あすにすることにします。

それにしても、
タリファの波は、
すきとおっていて、ステキでした。
どれだけながめても、あきませんでした。
波をみるたび、
カキ氷の旗の柄を、思い出しました。

その感じを、ちょっとまねて、
これを見て、少しでも涼をとっていただけたら、と、
アップします。

きょうも、訪れてくださって、どうもありがとうございました。
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