2017年10月20日金曜日

フランスあいさつキスは、チクチクする



ヒップホップの仲間と、時間をすごすにつれて、
ダンス以外にも、
新しいことを、習うことがあります。

若い人の、習慣です。

私は、仲間の中では、ちょっと例外的な、
「おばさん」です。
若い人にまじって、いろいろなことを教えてもらいます。

そこで、おそわったことで、
とても気に入っているのは、
チェック!

「チェック」というのは、
ご存知の方も多いのでしょうが、
あいさつの仕方です。
フランスのあいさつの、キスのかわりに、します。
握手っぽいですが、
握手ではありません。

まず、
手のひらを、相手の手のひらに、パン、と合わせます。
そのあと、げんこつを、合わせます。
ジョッキで、乾杯するような感じです。

これはこれは、実に、気分とマッチします。
会えてうれしい!という気分が、
すっかり、動作にあらわれています。
ですので、
はじめてチェックをしたとき、
すんなりと、自然に、できました。


相手は、10代の男の子たちです。
たまに、8才の子もいます。
大学生の人も、います。
握手をするのは、しゃちこまりすぎですし、
キスをするのは、汗かいているとき、
なんとなく、しづらいですから、
チェックは、いい感じです。

「仲間よ!」っていう感じがします。

それに慣れてしまうと、
別な場面で、キスをするのが、
めんどうになってきます。

よく考えると、
私は、フランス人のあいさつキスが、
ちょっぴり苦手なのです。

なにが苦手かと言いますと、

ほっぺに、チュッとすると、
ひげが、チクチクする男性がいます。
それは、まるで、
洗い物スポンジの、ざらざら面で、こすられているようです。

たまに、
ひげもなく、肌が、すべすべなので、あ、よさそう、と思っていると、
アフターシェーブのせいかどうか、
キスをしたあとから、
こちらの肌が、ピリピリすることもあります。

女性は、たいてい、すべすべ肌なので、
大丈夫ですが、
たまに、チクチクする人もいます。
あれは、なんなのだろう、と思います。


チュッ、チュッ、と、右左に、2回。
ここ、ロワール地方では、4回というのが相場ですが、
私は、心をこめて、2回することにしています。

心の奥では、
めんどくさいなぁ、と思っていても、
やはり、この地に来たのは私ですから、
この地のしきたりを、がんばって、やっているのです。

「心をこめて」
と、思っていましたが、
もしかすると、
このごろでは、めんどくさいという気持ちが、
にじみ出てしまっているかもしれません。

ほんとうは、
おじぎをする、とか、
握手くらいが、私には、しっくりくるのに、と
いつも、思っていたのです。

でも、このチェックは、
もっと、しっくりきます。
もっと、もっと、広まってくれたらいいのに、
と、思います。

ひげチクチクの人には、
チェックを、かってに押し付けちゃおうかという
アイデアも、わいてきます。

仕事に行くと、
一日に、何十回も、ビズ(あいさつキス)をすることがあります。
その、めんどくさいことといったら、
フランスで生まれた人には、わからないでしょう。

あの、めんどくさいビズをしなくてもいい、フランスになってくれたら、
などと、
ちょっと、あやうい、
フランス人に、おこられそうなことを、思いました。

きょうも、読んでくださって、どうもありがとうございました。


2017年10月17日火曜日

ちょっとめずらしい、ハリケーン



ここのところ、
秋というのに、私は、サンダルをはいています。
それくらい、あたたかいのです。
暑いときも、あります。
素足に、サンダルというのは、
とても、気持ちいいです。

あれ、
これは、インディアンサマーというのかしら、と
ぼんやり思っていましたら。

そうではなくて、なんだか、
不思議な現象が、おこっているそうです。


なにやら、
大西洋の、
いつもとちがったところに、ハリケーンが生まれて、
いつもと、正反対の方向に進んで、
アメリカの方に行かずに、
ヨーロッパに来ている、ということです。

なんとも、
めずらしい、ハリケーンだそうです。
そういえば、
イギリスに来る、ハリケーンなんて、
あまり聞いたことがありません。

その、めずらしいハリケーンが、
サハラ砂漠の熱い空気を、このフランスにも、
もってきちゃったそうなのです。

それが、
この、あたたかさの、理由。


そのハリケーンのおかげで、
このロワール地方は、
実に、のんびり、
ただ、ひたすら、あたたかい秋を、いただいています。
半そでの、Tシャツで、じゅうぶんです。

これが、
真夏におこっていたら、
もっと、もっと暑くなって、
たいへんなことに、なっていたかもしれません。

それが、
秋のことですから、
ちょうどいい温度です。


川のほとりの、
切られた枝には、
スズメが、たくさん、行き来していました。
巣をつくるための、小枝を、
さがしているのかもしれません。

元気に、チョンチョン、
さかんに、行ったり、来たり。
さぁ、巣をつくろう、と、
大さわぎしているようでした。



来週は、ちょこっと、里帰りします。
これから、おみやげの用意をします。
これは、ちょっと、心の重荷です。

なにが、喜ばれるのか、よくわからない、からです。
毎回、同じものになるのも、
つまらないかな、と、考えてしまいます。

会えること、
一緒に、お茶をのめることが、
いちばん、うれしいことなのにな、と、私は思います。

もしかすると、
あちらの方も、そう思っているかもしれません。
だったら、
あまり気にせず、いつもと同じものを、
もっていこうかな、とも思いました。

読んでくださって、
どうもありがとうございました。




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2017年10月10日火曜日

雑草というカテゴリーは、ない



きのうは、
街をはなれて、田舎に、行ってきました。

景色は、のどかです。
でも、車を走らせてると、写真はとれません。
ちょっと、立ち止まってみよう、と
車を止めて、歩いてみましたところ。

よく見ると、
ガードレールのむこうには、
いろんな花が、さいています。

まぁ、
雑草というのか、
かってに、はえてきた草の、花です。
野の花。
それが、ステキでした。

だれも通らない、
たまに、車しか、通らないところの花。
あまり、だれも、見つめない花、かもしれません。
見つめていると、
街では、きけない、虫の音も、きこえます。
そんなところで、きれいに、咲いています。



私は、ずっと、
花というのは、
庭で育てたり、
お花屋さんで買うものだと、思っていました。

ですから、
道ばたに、こういうきれいな花が咲いてると、
とても、得をしたような気になります。
なんで、もっと、車を止めて、
じっくり見なかったのだろう、と
いつもの自分を、もったいなく思います。



そして、
ちょっぴり、失敬してきました。

お花は、花びんに。
そして、
根っこは、うちの庭のかたすみに、植えてみました。
もしかすると、
来年、うちにも、この花が咲くかもしれないです。



きょうは、
野の花の、はなしでした。
読んでくださって、どうもありがとうございました。


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2017年10月9日月曜日

良心的すぎて、つぶれるのだったら口惜しい



けさは、朝10時になっても、
霧が、晴れませんでした。
ロワール川の景色は、
もう、冬なのではないか、という感じでした。

ところで、きのうは、
朝市で、ちょっぴりショックを受けました。
いつも元気そうな、
農家のおじさんが、だんだん仕事をやめる、というのです。
私は、10何年も、通っているのです。
急に、やめると言われて、びっくりしました。

まだ、若い、おじさんです。
丸く太っていて、赤い顔をしています。
お酒が好きそうです。
とてもやさしそうな方です。
自分の野菜の自慢なんて、しませんし、
おつりをごまかすなんてことは、ぜったいにありません。

おいしい野菜を、工夫してつくっている、
がんばりやさんです。
シイタケも、育てています。
おかげで、
私は、シイタケを自分で干して、
お料理にも、使っていたのです。
日本から、とりよせる必要もありません。

最近では、大根まで、はじめていました。
フランスには、もともと大根は、ありません。
でも、
最近、はじめたばかりで、
まだ、細いし、筋っぽくて、イマイチだったのです。
でも、この先、どんどん良くなるはず、と、
私は、買い続けていたのです。

それが。
きけば、
体の調子が、よくないから、どいうことでした。

えええっ。
こんなに、若いのに!



そういえば、いつも3時起きで、
朝市に、遠くから来てくださるのです。
その大変さは、冬なんか、私には、想像がつかないかもしれません。
重いものを持ったり、
売れ残りを、捨てたり。

いつも、
いいものを、安く、たっぷり。

今まで、私たち、
なにも知らないで、便利に、いい野菜を、いただいてました。

私は、ショックの中、とっさに、
これから先、干しシイタケ、どうしよう。
シイタケ作ってる人なんて、他にいるのかしら。
来週の、ちらしずし、どうしよう、と
思ってしまいました。

そして、
おじさんのことを、思いました。
苦労しちゃって。
こんな若いのに、仕事やめるなんて。

がんばりやさんの、おじさん。
無理していたのでしょうか。



でも、これから、
休んで、また体力を、とりもどせるかもしれません。

おじさん、どうぞ、
朝は、ゆっくり、
そして、
お酒は、少なめに、
タバコも、少なめにして、ぜひぜひ、元気になって、という
気持ちです。

その話を、
そのあとに行った市の、
野菜と、果物売りの、モロッコのお兄さんにしたところ。

お兄さんったら、
泣きそうな顔になって、

そうだよ、そうだよ、
ボクだって、大変だよ。
売れ残りを、たくさん捨てなきゃなんない。
毎回、つらいよ。
農家の人だったら、もっと、もっとつらいだろう。
自分で育てて、とったものを、捨てるなんて。
それに、冬は、寒いし。
おまけに、こんなに苦労したって、
月末には、そんなにお金がのこっているわけじゃないし。
だから、いやになっちゃうんだ。

と。

だけどね、
お兄さんが、やめちゃったら、私、どうしよう。
スーパーの野菜なんて、おいしくないし。

そうなんだよ、
ボクもそう思うよ。
だから、やってるんだよ。
そう言ってくれるから、うれしいよ。
ありがと、ありがとね、と、

やっと、
いつもの、ニコニコ顔にもどって、
がんばりも、もどってきたようでした。

でも、ありがとうと言いたいのは、
こっちの方です。
ほんとに、ほんとに、ありがとう。

なんだか、きのうは、
何ともいえない、朝市でした。

読んでくださって、どうもありがとうございました。


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2017年10月6日金曜日

日本のジーンズ vs フランスのジーンズ



このあいだ、
とてもうれしくなる、買い物をしました。

これぞ、ジーンズ!
と思えるジーンズが、見つかったのです。
昔の、あの、はき心地どおりです。

そのうれしさといったら、
もう、思わず、
はいているデニムの生地を、さすってしまいます。
あぁ、あと何年はけるかな、
長い、おつきあい、よろしく、と、
まるで、新しいペットを家につれてきたような、気持ちです。

はいてるうちに、ますます、やらかく、
なじんでくるんだろうな、と思います。
時がたつにつれて、
どんどん、良くなっていく、なんて、
ステキなことです。
年とるにつれて、
つまらないことが多くなるかもしれない、と思っていましたけど、
まったく、その逆です。


そのジーンズの何が、すばらしいのかと言いますと、
それは、コットン100パーセントだからです。

そういうジーンズを、
ここしばらく、はいていませんでした。
20年くらい前、伸び縮みのするジーンズを着たとき、
はきやすいな、と思いました。
それ以来、どんなジーンズにも、
だいたい、数パーセント、そういう材料がはいっていました。

けれど、その欠点もあります。
使っているうちに、なんとなく、ごわごわの手触りになります。
だいたい、
私は、自然の繊維のものが、好きです。
化繊や、伸び縮みは、夏は暑いし、冬は寒いので、
あまり、気に入らないのです。

と、
そんな話を、20代の方と、していましたら。

それ、よく、わかる!
そういう、いいジーンズが、少ない、と
わかってくださったので、私もうれしくなりました。

そして、
その方は、なんと、
ジーンズは、日本製を、注文して買っているのです。

名柄は、ここでは書きませんが、
なぞなぞ風に、いいますと、

1)きびだんごで有名な童話の主人公
2)「純粋な、青」を英語でいう

という、ブランドふたつを、愛用してるのだそうです!
フランスから、わざわざ、日本に注文しているのです。

調べてみれば、岡山のブランドです。
布づくりは、
岡山の、伝統的な工芸なのだそうです。
そこで、質のいい布に、藍染めで、
とてもていねいに作られている、ジーンズのようです。

びっくりしました。
とても、誇りにも、思いました。



その方は、コットンの、質のいいジーンズを、
日本で買うのです。
私も、こんど日本で、店をのぞいてみようと、思っていました。

けれど、それが、
フランスでも、見つかったのです。
それは、どういうことかといいますと、
デパートで、いつもの名柄のを、ためしにはいて、
これ、と、決めて、
売り子さんに、渡したとき、

ちょっと、その、コットン100%の話をしたのです。

そしたら、
それをわかってくださって、ためしてみたら、と、
上の階の、メンズ売り場に、つれていってくださったのです。

そう、
そういえば、その昔、昭和の時代。
ジーンズに、女物も、男物も、ありませんでした。
ジーンズといえば、男物に決まっていました。

そして、
その名柄の「元祖」復刻版を、試着させてくれたのです。
男物売り場で、試着するのは、ちょっと恥ずかしかったです。

そうして、ようやく、
この、ステキなジーンズに出会えた、という話です。

それにしても、
やはり、上の日本のブランドは、
気になります。
もうじき、里帰りしますので、
やっぱり、店を、のぞいてみたいと思います。

きょうは、
ジーンズの話でした。
読んでくださって、どうもありがとうございました。


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2017年10月4日水曜日

ちょっぴり、むなしい



けさは、だいぶ寒くなって、
ダウンジャケットで、散歩に行きました。
もう、ほんとうの秋になりました。

おとといは、用があって、
ロワール川沿いを、車で走らせましたところ。
その道は、木の葉が、
はらはらと、落ちていました。
その中をくぐって、運転しました。

まるで、学芸会の、舞台装置のようです。
英語で、秋を、「fall」ともいいますが、
ほんとに、「落ちる」季節だ、と思いました。


川のほとりの、カフェは、
もう、片づけられていました。

夏に、
友だちや、親戚の人といっしょに、
ビールを飲んだり、
踊ったことを、思い出します。
つい、数ヶ月前のことです。

それは、すぎて、
もう、だれもいなくなりました。
なんでも、すぎていくのは、
さびしいです。

あれはなんだったのかな、
幻想だったのかな、
ほんとうに、あったことなのかな、なんて、
区別がつかなくなります。


きのうは、
父のたんじょう日でした。
といっても、もう、父は、いません。
だから、
なんのお祝いも、しません。
いない人の、たんじょう日、なんて、
あまり、意味がないように、思えます。

でも、
その昔、あの、おばあちゃんが、お産して、
男の子がうまれて、
まぁ、さぞかし、うれしかっただろうな、と思います。
やっぱり、お祝いの日だ、と思ってしまいます。



うちの庭では、
夏に、あまり咲かなかったスイレンが、
りっぱな、花を、咲かせていました。
もうすぐ、葉っぱも、枯れる時期です。
すべり込みセーフ、という感じです。

鳥は、いつもの声で、
お茶目に、鳴いていました。

なんだか、
心の底が、しーんとしました。
むなしい、心の底は、
な〜んにもすることがない、という感じでした。

同時に、
肩がおりて、
ちょっぴり、気楽な気持ちが、しました。

きょうも、読んでくださって、ありがとうございました。


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